岩谷時子賞

岩谷時子賞

森山良子さんは、1967年「この広い野原いっぱい」でデビュー。その後、ミリオンセラー「禁じられた恋」をはじめ「涙そうそう」、「さとうきび畑」等、数々のヒット曲を生み出していらっしゃいます。透明感のある歌声と歌唱力で、名実ともに日本のトップシンガーです。1998年、長野冬季オリンピック開会式式典にて、テーマソング「明日こそ、子供たちが…」を歌い、その模様が世界に放映されました。2002年、第44回日本レコード大賞において最優秀歌唱賞、金賞(「さとうきび畑」)、作詩賞(「涙そうそう」)を受賞し3冠を達成。2006年第48回日本レコード大賞で「涙そうそう」が特別賞を受賞。2007年「2006年度芸術選奨文部科学大臣賞」「第49回毎日芸術賞」受賞、2008年「紫綬褒章」受賞と輝かしい功績を残されております。また、歌手活動以外でも、ニッポン放送「オールナイトニッポン MUSIC10」にて月曜日のレギュラーパーソナリティーも務め、7年目を迎えられています。今年55周年を迎えられ、ますますご活躍されていることなどが評価され、今回の受賞となりました。

小池修一郎さんは、1977年の宝塚歌劇団入団以降、『エリザベート』『THE SCARLET PIMPERNEL』(スカーレット・ピンパーネル)『ロミオとジュリエット』の日本初演を始めとした、数々の宝塚歌劇の代表作を生み出されています。更に、宝塚以外でも多くの作品を手掛け、数々の賞も受賞。現代日本のミュージカル界を代表する演出家として活躍していらっしゃることなどから、特別賞の受賞に至りました。

木下晴香さんは、1999年生まれ。佐賀県ご出身。2017年にミュージカル『ロミオ&ジュリエット』のジュリエット役でデビュー。以降、ミュージカルを中心にご活躍されています。その他にも『モーツァルト!』(2018,2021)、『ファントム』(2019)、『アナスタシア』(2020 W主演)、『プロデューサーズ』(2020)、『王家の紋章』(2021)と、多数出演。2019年ディズニー実写映画「アラジン」のプレミアム吹き替え版でジャスミン役を演じ話題となりNHK「紅白歌合戦」出演を果たされたことでも話題になりました。若きミュージカル界のホープとして、今後さらなる活躍が期待されることから奨励賞の授与が決定しました。



また、2011年からスタートし、今年で10回目を迎えた音楽・芸術を志す若い方々を応援する「岩谷時子 Foundation for Youth」には、石川美羽さんが選出されました。

石川美羽さんは、2000年生まれ。4歳でピアノを始め、弱冠12歳で日本クラシック音楽コンクールガラコンサートにてオーケストラと共演し、翌年にはアメリカ、カーネギーホールワイルリサイタルホールに出演するなど、若くして国内外の多数の演奏会に招かれ、ピティナ・ピアノコンペティション金賞など多数の賞も受賞。東京藝術大学音楽部2年在学中に同大学の奨学金を得て、現在は、米国ボストンのニューイングランド音楽院に給費奨学生として留学し、3年次在学中です。

審査委員<五十音順 敬称略>

川口 真(作曲家)
都倉俊一(作曲家)
草野浩二(音楽プロデューサー)

2021年10月5日 パレスホテル東京にて授賞式開催

授賞式
左から竹下景子(プレゼンター)、石川美羽、小池修一郎、岩谷時子(写真)、森山良子、木下晴香<敬称略>

「岩谷時子賞」を受賞された森山良子さん。森山さんは「本当に思いがけないことで、とても驚き、そしてとても嬉しく、大喜びを心の中でしております。長い間、こうして歌ってきたことに、ご褒美をいただけたような、そして『もうちょっと歌ってもいいよ』って言っていただいているような…。そんな気持ちで、大変嬉しく感謝しております」と、喜びの気持ちをコメントされていました。またステージでは、ピアノ伴奏と共にご自身でギターを奏で、ヒット曲『涙そうそう』を披露。優しさと切なさを感じさせる素晴らしい歌声に、会場全体が魅了されていました。

「岩谷時子賞 特別賞」を受賞された小池修一郎さんは、スピーチで岩谷時子のことを、幼い頃からヒット曲を生み出す作詞家だと認識されていたとコメント。そして、いざ宝塚劇団で仕事をしてみたら面白いのではないか?と思ったきっかけの一つに岩谷時子の存在があったとして「長い歴史を持った宝塚歌劇団というところから、岩谷先生のような、日本のエンターテイメントを引っ張っていく人材が生まれているということを知り、またその方達が皆さん現役であるということが大変魅力的に思えました」「本当に岩谷先生の存在が大きかったと思います」などと宝塚歌劇団に入団に纏わる思い出を語って下さいました。

「岩谷時子賞 奨励賞」を受賞された木下晴香さんは、受賞を“身に余る光栄”として「これまでの道のりで出会って下さった全ての皆様、そして経験させていただいた全ての物事に感謝しています」と感謝の気持ちをコメント。また「私自身がこれまでたくさんエンターテイメントから夢や明日への活力を受け取ってまいりましたので、これからもどんな苦しい状況の中でも強くエンターテイメントの力を信じて、誠心誠意向き合って参りたいと思います」と強い決意を滲ませました。また、この日はミュージカル「アナスタシア」より『Journey To The Past』を感情豊かに熱唱。客席からは大きな拍手が沸き起こっていました。

「岩谷時子 Foundation for Youth」に選出された石川美羽さん。受賞のスピーチでは「この度は、このように素敵な賞をいただくことになり、誠に光栄です。財団関係者の皆様、それから私が音楽の道を志すにあたり、いつも支えて下さる先生方、それから家族にもお礼を申し上げたいと思います」と受賞の喜びと、感謝の気持ちを伝えられていました。そして、この日は『ショパン ワルツ 第4番 作品34の3 ヘ長調』を演奏。軽やかなメロディーと美しいピアノの音色に会場全体が聴き入っていました。