岩谷時子賞

岩谷時子賞

佐渡裕さんは、京都市立芸術大学卒業宜、故レナード・バーンスタインさん、小澤征爾さんらに師事された、日本を代表する指揮者です。1980年代から、海外で権威ある賞を次々と受賞。ヨーロッパを中心に、目覚しい活躍を続けてこられました。また、国内では兵庫県立芸術文化センター芸術監督、シエナ・ウインド・オーケストラの首席指揮者をつとめるほか、テレビ朝日系列の「題名のない音楽界」の司会者としてお茶の間に音楽の楽しさを届け、昨年10周年を迎えた、厳しいオーディションで選抜した子供達による<スーパーキッズ・オーケストラ>の芸術監督もつとめるなど、若い世代の育成にも力を入れておられます。今回の岩谷時子賞の受賞は、日本を代表する指揮者としての功績はもちろん、クラシック音楽をより日本に普及させるために尽力されていること、また若い世代の育成に情熱を注ぐ活動が称えられたものです。


StarS(浦井健治さん、井上 芳雄さん、山崎 育三郎さん)は、メンバーそれぞれが、俳優として数多くのミュージカルに出演。実力を磨き上げた3人で結成され、2013年5月8日CDデビューを果たされました。デビュー・ミニアルバム『StarS』ではオリコン・ウィークリー7位、デイリーも最高3位に輝いています。また、2013年11月11日には、ミュージカル俳優の単独コンサートとしては史上初の日本武道館コンサートを開催し、大成功を収められました。今回の受賞は、ミュージカルという分野により多くの人が触れて欲しいという高い志のもと、目覚しい活躍を遂げられていることが高く評価されたものです。


八千草薫さんは、1947年に宝塚歌劇団に入団し、1951年「宝塚夫人」で映画デビュー。以後、米国アカデミー賞名誉賞に輝いた「宮本武蔵」を始め、市川崑、豊田四郎、篠田正浩、山田洋次など巨匠監督のもとで、日本映画の黄金期を支えられました。近年も数々の名作・話題作に出演。2003年の「阿修羅のごとく」では日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞、また1997年に紫綬褒章、2003年には旭日小綬章を受章されています。昨年までは、岩谷時子賞授賞式のプレゼンターをつとめていただきました。名実共に日本を代表される女優であると共に、岩谷時子賞への大きな貢献が称えられての受賞となりました。


また、2011年からスタートし、今年で4回目を迎えた音楽・芸術を志す若い方々を応援する「岩谷時子 Foundation for Youth」には、ソプラノ歌手の藤井冴さんが選ばれました。藤井さんは、東京藝術大学大学院の音楽研究科修士課程声楽(オペラ)専攻を修了時に大学院アカンサス賞を受賞されました。プロへの登竜門ともいわれる藝大メサイアでは、第61回メサイアでソプラノソリストをつとめられたのをはじめ、数々のオペラに出演されています。現在、東京藝術大学大学院の音楽研究科博士課程声楽(オペラ)専攻に在籍、ソプラノ歌手としての実力をさらに磨かれており、今後は国内外問わず広い活躍が期待されています。

審査委員<五十音順 敬称略>

川口 真(作曲家)
草野浩二(音楽プロデューサー)
都倉俊一(作曲家)

2014年5月9日 パレスホテル東京にて授賞式開催

授賞式
左から竹下景子、浦井健治(StarS)、八千草薫、岩谷時子(写真)、井上芳雄(StarS)、佐渡裕、山崎育三郎(StarS)、藤井冴<敬称略>

「岩谷時子賞」を受賞された佐渡裕さん。阪神・淡路大震災及び東日本大震災の復興を、音楽の面からサポートする熱い思いをスピーチで訴えられました。

「岩谷時子賞 特別賞」を受賞された八千草薫さん。故岩谷時子との親交について話され、その厚い友情に会場では涙する人の姿も見られました。




「岩谷時子賞 奨励賞」を受賞されたStarS(井上芳雄さん、浦井健治さん、山崎育三郎さん)。ステージでは、岩谷時子が訳詞を手がけた、レ・ミゼラブル「民衆の歌」を披露され、3人の素晴らしいハーモニーに、惜しみない拍手が贈られました。

「岩谷時子 Foundation for Youth」を受賞された藤井冴さんは、オペラ ジャンニ・スキッキ「私の愛しいお父様」を、数々の舞台で磨き上げられた、素晴らしい歌声で披露されました。