岩谷時子賞

岩谷時子賞

松任谷由実さんは、それまで心の痛みや生活を語る事が中心だった音楽シーンを、恋やレジャーの楽しさを共有する世界に変え、日本の音楽に新しい時代を切り開き、日本のポップシーンに華を与えたシンガーソングライターです。また、それまで国内では類を見なかった大規模で革新的なコンサートステージは、エンターテイメントとしての音楽シーンに大きな可能性を示しました。今回の岩谷時子賞の受賞は、日本を代表するシンガーソングライターとしての偉大な功績はもちろん、常に感動を与え続けるその活動が称えられたものです。

奨励賞の中村勘九郎さんは、父、中村勘三郎さん亡き後、歌舞伎の名門である中村屋を支える、歌舞伎界でもっとも活躍が期待される中堅役者です。また歌舞伎に限定されない、役者としての幅広い活動は日本のみならず海外の演劇界にも大きな影響を与えています。歌舞伎界で研鑽を重ねる真摯な姿勢、日本の演劇界での確固たる存在感が認められての受賞となりました。

特別賞の岩井俊二さんは、2011 年の東北地方太平洋沖地震で被災した地域を支援するNHK東日本大震災復興プロジェクトのチャリティーソング「花は咲く」の作詞家としての活動と、これまでの映画監督、映像作家、脚本家、音楽家として数多くの話題作を創り出したその功績に対しての受賞です。


また一昨年からスタートした音楽・芸術を志す方々を応援する「岩谷時子 Foundation for Youth」には、フルート・ピッコロ奏者の下払桐子さん
が選ばれました。下払さんは国立音楽大学在学中より海外の音楽アカデミーに積極的に参加。国内外での華々しい演奏活動とともに音楽教室で教鞭も取るなど、クラシック音楽そのものの啓発に取り組む真摯な姿勢が認められ、今後の活動も大いに期待されます。

審査委員<五十音順 敬称略>

川口 真(作曲家)
草野浩二(音楽プロデューサー)
都倉俊一(作曲家)

2013年4月4日 帝国ホテルにて授賞式開催

授賞式
左から下払桐子、中村勘九郎、八千草薫、岩谷時子、松任谷由実、岩井俊二(敬称略)

 
「岩谷時子賞」を受賞した、松任谷由実。授賞式では「ひこうき雲」を演奏披露しました。

中村勘九郎

岩井俊二

下払桐子さんはジュナン作曲「ヴェニスの謝肉祭」を演奏しました。